こんにちは、「微妙な予想師」です。
最近、日本国内で馬インフルエンザの感染が確認されたというニュースを見かけました。
競馬を日常的に見ている自分ですが、「馬インフルエンザって何なんだろう?」と実はよく知らず、今回の報道をきっかけに、少し調べてみることにしました。
馬インフルエンザとは
馬インフルエンザ(Equine Influenza)は、馬に感染するウイルス性の呼吸器疾患です。
人間のインフルエンザと似た性質を持っており、発熱や咳、鼻水などの症状を引き起こします。
ウイルスの型としては、主にA型インフルエンザウイルス(H3N8型)が原因とされています。
この病気の特徴のひとつは、非常に感染力が強いことです。
一頭の馬が感染すると、周囲の馬に短期間で広がる可能性が高く、放牧地や厩舎、トレーニング施設のような複数の馬が同じ空間で過ごす場所では特に注意が必要です。
また、馬インフルエンザは季節を問わず発生する可能性があり、一度の発生で広い範囲に影響を及ぼすこともあります。
人には感染しないウイルスであり、感染した馬の致死率も高くはありませんが、馬自身にとっては体調を大きく崩す病気であり、回復までに時間を要します。
症状と影響
馬インフルエンザに感染すると、急性の呼吸器症状が現れます。
健康だった馬が、短い期間で目に見えて元気を失うこともあり、周囲が異変に気づいて発見されることが多いとされています。
主な症状は以下のとおりです:
- 高熱(39〜41℃)
平熱よりも2℃以上高くなることがあり、全身のだるさや活動量の低下が見られます。 - 乾いた咳
しばしば連続して咳をするようになり、運動中や安静時でも咳が続く場合があります。 - 鼻水(透明〜白濁)
初期は透明な鼻水ですが、症状が進行するとやや濁りが出ることもあります。 - 食欲の低下、元気消失
普段通りに食事をとらなくなり、反応が鈍くなる傾向があります。
こうした症状は、通常2日から10日程度で軽快するとされていますが、回復には個体差があり、咳が長引くこともあります。
また、熱が下がった後も、体力の回復には時間を要し、元の運動状態に戻すには段階的な調整が必要になります。
感染による影響は症状そのものだけでなく、以下のような点にも及びます:
- 体力の消耗
高熱や食欲不振が続くことで、筋肉量の低下や疲労の蓄積が見られることがあります。 - 呼吸機能の一時的な低下
気管支や肺に炎症が残ると、運動時の呼吸が乱れやすくなります。 - 生活環境の変化
感染が確認されると、他の馬との接触を避けて隔離飼育となり、生活のリズムも大きく変わります。
こうした変化は、馬にとってストレスになる場合もあります。
馬は自分で不調を訴えることができないため、体調の変化を見逃さずに管理することが非常に重要です。
そして、回復後も無理のない調整期間が必要とされる病気であることから、感染が確認された際には慎重な対応がとられます。
感染の広がり方
馬インフルエンザは、主に飛沫(ひまつ)を介して感染します。
感染した馬が咳やくしゃみをすることで、ウイルスを含んだ微細な水滴が空気中に飛び散り、それを周囲の馬が吸い込むことで感染が成立します。
こうした飛沫は、数メートル先まで到達する可能性があり、屋内の厩舎や輸送中の馬運車など、密閉・密集した環境では感染が広がりやすくなります。
また、直接的な接触がなくても、次のような経路でも感染することがあります:
- 人間の衣服や手を介した感染
飼育担当者や関係者が、感染馬と接触した後に他の馬に触れることで、ウイルスを広げてしまう場合があります。 - 馬具・器具の共用による感染
手入れ用のブラシや鞍(くら)、給水器などを通じてウイルスが他の馬に移ることもあります。
このように、馬インフルエンザは空気感染だけでなく接触・物品を通じた間接感染のリスクも高いため、ひとたび感染が発生すると、施設内の複数の馬に短時間で広がる可能性がある病気です。
多頭飼育されている放牧地や厩舎、トレーニング施設などでは感染拡大のリスクが高いため、予防対策としてワクチン接種が推奨されており、多くの競走馬や乗馬クラブでも定期的に実施されています。
感染後の対応と、鳥インフルエンザとの違い
馬インフルエンザと聞くと、鳥インフルエンザのように殺処分されてしまうのではと心配になるかもしれません。
しかし、馬インフルエンザは致死性が高い病気ではなく、基本的には回復を前提とした対応がとられます。
感染が確認された馬は、隔離されたうえで安静に管理され、症状が落ち着くまで療養します。
回復後は段階的に調教を再開し、体調を見ながら元の生活に戻っていきます。
まとめ
馬インフルエンザは、馬にとって強い感染力を持つ呼吸器の病気で、
発熱や咳、食欲不振などの症状により、体力や日常の生活に大きな負担がかかる感染症です。
人にうつる病気ではなく、致死性も高くはありませんが、回復までには時間が必要で、周囲の馬や施設全体にも影響が及ぶ可能性があります。
感染した馬は隔離されたうえで療養し、多くの場合、治療と安静によって回復が可能とされています。
今回、馬インフルエンザについて調べる中で、馬の健康への理解を深めることの大切さ、そしてそれが競馬にとってどれほど重要なことかをあらためて実感しました。